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Vol.22「タイ犯罪最前線」
店主にとって、一昔前まではタイは非常に治安の悪い国、というイメージがありました。店主の父の会社では30年以上前からタイとの貿易に携わっていますが、30ウン年前のタイといえば、バンコクでもまだ靴を履いている人の方が少なく、夜景を見ようと高い建物に上ったらあたり一面真っ暗という状態だったそうなので、タイ郊外を訪れた日本人駐在員が手首ごと腕時計を奪われたとか、誘拐された日本人女性が発見された時には頭がおかしくなっていたとか、そんな話を父の仕事関係の人から伝え聞いたものです。
近年タイは飛躍的に経済発展を遂げ、観光産業に対する政府の尽力もあって、首都バンコクはたくさんの外国人が訪れる豊かな国際都市になりました。それでも貧しい人が金銭目当ての強盗を働いたり、麻薬密売の一大組織が摘発されたりと、日本に比べるとタイの方が圧倒的に犯罪の多い国です。幸い店主は、タイに住んでいた時には直接事件に巻き込まれるようなことはありませんでしたが、危険なことに遭遇した経験で言えば、麻薬が切れて裸で大暴れしてる青年と道で出くわしたことと、たまたま通りかかった建物の上から男の人が飛び降りたことぐらいです。ちなみに後者の件は、翌日の新聞によると、若いタイ人女性と仲たがいした日本人のオジサンの自殺だそうです。遠く離れた異郷の地で自殺を思い立つ心境というのは知る由もありません。他にも、財布やパスポートをすられた友人は1人や2人ではありませんし、同じ語学学校に通う西洋人は「自白剤強盗」にあっていました(薬を飲まされると言いなりになってしまい、財布や時計などを自分から差し出してしまう、強引でない(?)強盗)。
タイの新聞は、どれも日本のスポーツ新聞さながらの派手な見出しに飾られており、犯罪者の顔や被害者の死亡状況などが、カラー写真でデカデカと掲載されます。例えば、「麻薬密売グループの5人組はこいつらだ!」の見出しと共に、情けない顔で手錠をかけられて、猿回しのように腰を数珠つなぎにされている犯罪者たちの写真や、「何て残酷!一家惨殺」の見出しで、赤ん坊も含めた一家6人が布団の上で血まみれになっている被害者宅の現場写真などです。最近は、目を黒い帯で隠したり、流血の部分をモザイク処理したりして多少配慮するようになっていますが、やはりそういうことをしない方が販売部数が伸びるようで、あまり積極的にはなされていません。これまでに目にしたことのある驚きの記事と言えば、見出し「警官、串刺し!」で、オートバイに乗った警官が鉄筋の柱を積んだ大型トラックに後ろから突っ込み、身体に柱が貫通して死亡している写真の記事。それから、見出し「私はこれで切りました」と、手錠をかけられたまま鋭利なカッターをかまえてポーズを取る若い女性の写真の記事。ちなみにこの女性は普通に人殺しを働いたわけではありません。その程度なら、新聞記者から「カッターかまえて、ポーズ取ってもらえますか?」とは言われません。この女性は、浮気が過ぎる亭主の一番大事なところを切り落としたのです。良い子の読者の皆さんはマネしないように!タイでは、年間に40〜50件は発生する日常的事件です。
バンコクは安全で、楽しく遊べますよ!という旅行会社のうたい文句を鵜呑みにして、無防備にタイを旅行するようなことは避けてくださいね。ここ1年、バンコクで日本人旅行者が襲われる事件が多発しています。でも、情報の詳細を聞くと「深夜の2時に一人で出歩いた」とか「スラム街をうろついていた」とかいう内容ばかりで、日本人の危機管理に対する認識の甘さが招いている事件ばかりです。
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