←トップページへ戻る

<ちあっぷのコラム>

店主が気まぐれに書いているタイについてのコラムです。
バックナンバーは一番下からご覧下さい。
また、このコラムに関するご意見やご感想をお気軽にお寄せくださいね。
メールはこちら→info@luukciap.com

Vol.29タイ紀行その3・気ままに散策(後編)」

 2002年の5月に片道航空券でバンコクへやって来て、独立開業を夢見ながら将来を模索していた頃を思い出し、初心に帰るべく気の赴くままバンコク散策を計画した店主。後編でご紹介するのは、その散策の最終目的地プラスメン砦です。
 プラスメン砦は、前編でご紹介したカオサン通りやバンランプー市場をチャオプラヤー川の方向に進むと、川ほとりに鎮座する砲台跡です。18世紀頃、ラーマ1世の時代に建てられたもので、現在、砦が保存されているこの場所はサンティチャイ・プラカン公園としてバンコク市民の憩いの場所になっています。店主はなぜかバンコクでこの場所が一番好きで、初めて来た時には懐かしさで目がウルっとなったぐらいです。タイの古い建物と言えば金ピカのお寺やチーク材の高床住宅などをイメージしますが、右の写真にあるように、プラスメン砦は少し趣が異なります。今回は壁の塗り替えから日にちが経っていたのか黒い汚れが目立ちますが、本来の白亜の要塞は、まるで地中海の島の丘陵にならぶ白壁の建築物のようで、十字架やマリア像があっても違和感がない不思議なデザインです。但し、実際プラスメン砦にあるのは黒くて大きな物々しい砲台です。砲台はチャオプラヤーの大河を臨み、その昔、ビルマからの敵を迎え撃つのに大活躍したことでしょう。今回訪問したのは午後で、しばらく花壇の端に座り込んで砲台を眺めつつ、ぼけ〜っとしていましたが、じきに地面を伝って這い上がってきたオオアカアリの襲撃に遭い早々に退散せざるを得ないのが残念でした。
 実際には、店主はここの夜が最も好きです。アリンコに邪魔されないだけではなく、砦はトンネル内の照明のようなオレンジ色で美しくライトアップされ、バンコク市民が涼を求めて思い思いに集い、チャオプラヤー川に架かる橋や行き交う船の照明、対岸の光が瞬き・・・何とも言えず懐かしく、癒されるひとときです・・・。と・こ・ろ・が!「ピィーーーッ、ピピピー!ピッ・レーオ(閉めまーす)!!」夜にもやっぱり邪魔は入ります。ここサンティチャイ公園は、午後9時になると警備員が笛を吹きつつ市民を追い出しにかかります。ムードをぶち壊されたカップルたちもスゴスゴと退散です。ここは深夜は立ち入り禁止の公園なのです。なんちゅう健全な!それがここの良いところとも言えます。店主の愛するプラスメン砦の美しさが守られています。
 タイにはこの砦の他にも、店主が懐かしい場所や落ち着く場所がいくつかあります。前に来たかも?という感覚・・・デジャブというものもよく経験します。最近では、航空機の飛行時間が年々短縮されているために寝ている間にすぐバンコクに着いてしまうということもあり、日本とタイの境目が自分の中でなくなりつつあります。さほど親しくない知人の顔をふと思い浮かべた時に、それが日本人かタイ人のどちらであるかを一瞬思い出せないことがたまにあります。どこで食事をしたか?とか、どんな場所で会ったか?というのを思い起こして初めて、どちらの国の人かを思い出します。言葉の点で言えば、店主は英語がむちゃくちゃ苦手な代わりにタイ語を話すのはそれほど苦でもありませんので、輪廻転生を信じる敬虔な仏教徒であるタイ人の友人たちからは「絶対前に使ってた言葉なんだよー」と指摘を受けます。本名「ちあこ」に発音が近いから、タイ人に命名してもらった「ちあっぷ」というニックネームも自然になじみましたので、タイではいまだに店主が実際、何人なのかよく分っていない知人や友人も少なくありません。

<バックナンバー>
↑こちらをクリックで一覧のページへ