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<ちあっぷのコラム>

店主が気まぐれに書いているタイについてのコラムです。
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Vol.34「タイ人の性格」

 タイ人というのは独特な性格をしています。実際にタイ人と付き合った経験のない読者の方には、どう独特なのかを理解することは難しいでしょうが、店主がバンコクに住んでいた頃は現地に住む日本人同士で「タイ人ってどうしてこうなんだろうねぇ」「あぁ分かる、分かる」という調子で、タイ人の不思議な性格について語り合うこともしばしばでした。当時、タイ政府観光庁のキャッチフレーズが「Amazing THAILAND」でしたので、「ウケ狙ってんのかっ!マジでこっちはAmazing THAILANDやっ!」と日本人には評判(?)のキャッチコピーでした。
 その特徴的な性格の一つが、「後先考えず、今さえ良ければ満足」といったことです。特に店主はタイ人から商品を仕入れる仕事をしていますので、これを十分理解しないことには仕事がニッチもサッチも行きません。例えば、普段から店主は不良品が一つでもある場合、日本から再度わざわざ持って来て仕入れた店に持ち込むのですが、タイでは「後先考えず売り切る」という性格上、日本ほど返品や交換のサービスがまだ一般的ではありません。店側が既に売ってしまった商品の返品や交換を嫌がるのもさることながら、タイ人の場合、お客さんも「壊れてたからしゃぁない」と現状を素直に受け入れがちです。そんなタイ人に対して店主がわざわざ不良品を持ち込むのは、そうすることによってその店の対応の仕方を観察して今後取引を続けるかどうかの判断をするためと、「たった50バーツの商品をわざわざ日本から持って帰ってくるなんて、この人は日本人のくせに相当ケチだ」という印象を相手に与えるためです。それによって店主の顔を必ず覚え、今後店主にモノを売る時には慎重になるはずです。
 前回の仕入れの時に、そんなタイ人の性格を目の当たりにする出来事がありました。先日店主は、長さが違ったり欠けたりしている箸を箸屋に持ち込みました。仕入れ価格にして全部で100バーツ(¥300)ほどです。多くのタイ人は、そんな些少な額の商品を交換するなどということは当然のように嫌がります。お客さんに丁寧に対応して後々末永く顧客になってもらうことよりも、毎日の実入りが重要だからです。この箸屋を任されている若い娘さんは、あからさまに「えー、なんやのんな、今さら!」という顔をしてふて腐れて黙り込んでしまいました。店主は、「どうする?交換する?しない?しなくてもいいよ」と言いました。それは暗に、「もうニ度とここで買わなければ済む話だから」とプチ恫喝しているわけです。すると、娘さん、手に持っていたボールペンをバシッと床に投げつけて「あぁ?どれを交換やて?」と逆ギレし始めました。店員がお客にキレるなんて、日本では考えられないことですが、ここはタイです。「これ・・・」と差し出すと、「えぇ?これとこれは、組み合わせを変えたら長さが近いし使えるやんか!これは交換するにももう同じものはないで!それからこれは・・・」と完全にドケチな日本人に腹を立てています。それにこちらもマジ切れしていては、貿易商(?)にはなれません。相手は外人ですし、相手から見た店主もまた外人です。どちらにも揺るがない信念と常識があります。店主は¥300が惜しくて商品を持ち込んだわけではありません。店主が、とんでもなく気が短く後先考えないタイ人店員を黙ってやり過ごせるように、相手にもとんでもなくドケチで神経質な日本人を受け入れる心の広さがあるかどうかを知りたいがための行動です。 
 ここで言う「心の広さ」とは「優しい」とか「親切」という意味ではありません。世界中にいろんな常識があるということを理解して、自分の常識のワクを超えて物事を考えるという柔軟性のことです。貿易業や外国人と関わる仕事は、そういう心の広さやゆとりのある人でないと務まらないと店主は常々考えていますので、バンコクでのそういう人たちと出会いは大切にするように心がけています。店主が開業以来ずっと仕入れを続けているいくつかの店は、「何か問題あれば次に来た時言ってください」とか「不良品ですみませんでした」とか、およそタイ人らしからぬことを言う店主さんたちが営んでいる店です。

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