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<ちあっぷのコラム>

店主が気まぐれに書いているタイについてのコラムです。
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Vol.35おかげさまで3周年」

 おかげさまをもちまして、るーく・ちあっぷは開業3周年を迎えます。開業当時、「とにかく3年はがんばろう」と決心したことを思い出します。開業する時にまともに購入した備品は電話機だけでした。それは「店舗を借りて電話さえ引けば後はアイディアと努力でどんな商売でもできる」と、どこかで聞いた言葉が印象的だったため、電話機以外の備品はお金が貯まったら買おうと決めて、商品以外はあり合わせのもので商売を始めました。3年前、店主がるーく・ちあっぷを開業できたのはほんの偶然からで、学生時代から独立開業に対する憧れを抱きつついつか何かを始めようと思い続けて8年目のある日、ポンっと背中を押されるようにして始めた店が、あっという間に3周年を迎えることができたのですから本当にありがたいことです。
 貿易業に憧れていた店主は、開業直前の2年間は修行のつもりでタイで単身暮らしました。その間はとにかく吸収できることはとことん身につけようと、当時はおめでたいほどの無知と度胸が手伝って物怖じせずにいろんなことに挑戦しましたが、今思えばとんでもなく危険なこともありましたので、振り返ってみると我ながら冷や汗ものです。その数々の体験の中でも、ダントツに忘れられないのが「無許可営業・逮捕未遂事件」です!!
 各地の卸売市場を歩いたり、商品を日本へ持ち帰ってフリマで売ってみたりして、ビジネスを研究(?)していた店主。ある時から、逆に日本からの輸入品でタイで商売が成り立つのだろうかということにも興味を持ち始めました。キャラクターグッズ、化粧品、お菓子、電化製品・・・なるほど、いろんなものが売られています。さて、それらをタイに輸入できたとして、小売のルートに乗せる仕組みはどうなっているんだろう?という疑問が次のステップです。タイ人の友人に相談してみると、「そりゃあまずは自分で屋台を開いて売るのが一番手っ取り早い。タイには卸や小売の流通の仕組みなんてあってないようなもんだしなー」と、なるほどマイペンライ精神溢れる意見です。
 そこである日そのタイ人に連れられて行ったのが、バンコクの原宿「サイアム・スクエア」です。さて、そのタイ人からのアドバイス。「まず商品を風呂敷に包んで持ってくる。お釣りの小銭はウェストポーチ。来る途中で、売れた商品を入れるショッピングビニール袋を買うのを忘れないで」・・・なるほど。屋台文化が花開いているタイでは、商売用のウェストポーチもビニール袋も、他に伝票でも値札でも、商売用の備品は普通のスーパーの文具コーナーで手に入ります。準備万端で向かった先は・・・んん?スカイトレインの駅から降りる階段下の三角スペース?あの〜、ホームレスが寝てるんですけど・・・と言いかけてもタイ人の友人は「マイペンラ〜イ!」と風呂敷包みを広げます。みるみる、同じような風呂敷包みを持参した人たちが所狭しと商品を並べ始めました。
 この時、店主は日本の問屋街で仕入れた、タイの若者に人気の商品をいくつか持参していました。人で溢れ返る通りですから、すぐにお客さんがしゃがみ込んで来ました。「これ、いくらはぁ〜?」。ゲゲ、メイクが崩れ落ちてきそうなオカマちゃんが、キティちゃんの手鏡を手に取ってのぞき込んでいます。「えっと、、、150バーツです」と言い終わらない内に、「まけてよっ、まけてよっ」!するとすかさず友人が「OK、80バーツ」、オカマ「70バーツ」、友人「75バーツ」・・・で、交渉成立、オカマちゃんお金を払って手鏡を持ち去りました。。。「ええ〜っ!半額だなんて・・・採算合わないよ」とブーイングする店主に、友人は「それが屋台さ」と平気顔。
 しかも、続いてアロハシャツにサンダル履きのオヤジが「30バーツ、30バーツ」と言いながら風呂敷屋台に順番に手を差し伸べています。友人は、さっきのオカマちゃんからもらった75バーツから30バーツを払っています。店主「あのおっちゃん、誰?」友人「あぁ、この辺の元締めヤクザ」と何事もないように言いのけます。ふ〜ん、そんな費用も必要なのかと感心していたら。。。ん!?一瞬張り詰めた空気!風呂敷の露天商が、向こう側からスタジアムのウェーブのように風呂敷包みを丸めて、次々と走り去り始めました。友人も「やべっ!」と勝手に店主の屋台をたたみ始めます。すると・・・!ピ、ピ、ピ、ピッ〜!!笛を吹き鳴らして向こうからやってくるのは3人ほどの制服の警官です!一瞬で状況を把握しました。無許可営業の屋台を取り締まりに来たのです。ここで厄介なことに巻き込まれたら日本に強制送還だー!と必死の形相で逃亡したことは、今になって思い出せば笑い話です。
 その後、この大赤字の無許可営業を推奨した友人と大ゲンカしたことは言うまでもありませんが、この事件は無数にあるタイの屋台がどのように運営されているかを教えてくれる貴重な体験でした。タイで商売人を目指す人たちは、こうやって路上で日銭を稼いで、いつかはサイアム・スクエア内の立派な店舗を借りて正規営業をする資金にするべく夢見てがんばっているのです。起業家を目指す人が世界で一番多いと言われるタイに惹かれて商売を始めた店主は、熱気溢れるバンコクの街からエネルギーをもらいながら、3周年を迎えた今日もただひたすら前進あるのみです!

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