|
Vol.45「アヤさん」
新年明けましておめでとうございます!おかげさまで2008年を迎え、るーく・ちあっぷは間もなくオープン4周年です。コラムも数えるところ45話になりました。最近はお店の業務に追われ、コラムの更新が遅れがちでごめんなさい!途切れることなくコラムは執筆し続けていきますので、これからもご愛読のほどよろしくお願いいたします!
さて、2008年最初のコラムは、タイの「アヤさん」についてです。「誰?それ?」と思われる方が多いでしょう。「アヤさん」は人の名前ではありません。タイの日本人社会で使われている普通名詞で、「お手伝いさん」や「メイド」のことを指します。タイの日本人社会では、独特の日本語がいくつかあります(それについては改めて別のコラムで)。「アヤさん」の語源については諸説ありますが、一番有力な説は、その昔中国で生活した日本人が中国語で「阿姨(アーイー)さん(=おばさん)」と呼びかけたのが始まりではないかといわれています。とにかく、ご主人の転勤でバンコクで暮らし始めた駐在員の奥さま方が、最初に関わり合いになるタイ人が、この「アヤさん」でしょう。
日本の主婦の皆さんには羨ましい限りの話ですが、タイの日本人駐在員のお宅では、ご主人が勤める会社からの手配で、ほとんどの家庭にアヤさんが派遣されます。通いで日中にお掃除や洗濯をこなすアヤさんもいれば、住み込みで食事の支度や子供の面倒までみてくれるアヤさんもいます(バンコクの高級マンションには、「アヤさん専用の部屋」(=昔で言うところの女中部屋)が既に備わっているものです)。アヤさんに家事は任せて、奥さま方はタイ舞踊やタイ語を習いに行き、午後は西洋人が集まるおしゃれなカフェでお茶・・・などと、いかにも駐妻の優雅な生活を夢見がちですが。。。実際には何かと苦労も多いものです。
アヤさんは大体が貧しい東北部(イサーン)や北部(チェンマイなど)からの出稼ぎ女性です。キャリアの違いや、前はどこの国の家庭で働いていたかなどにより・・・こう言ってはなんですが、アヤさんにも当たりはずれがあるものです。アヤさんの初出勤の日、あまりのカルチャーショックに卒倒しそうになる奥さまもいるかもしれません。「裸足のままベランダに出ないでね。マンションの廊下も靴を履いて」「床を拭く雑巾、窓を拭く雑巾、食卓を拭くふきん・・・全部分けてね」「床は丸く掃かないで、角の方もお願い」「モップをかける前に自分の足の裏をよく拭いて」「お客さんがいる時は鼻歌は控えめに」などなど、一から「アヤさん教育」が必要な場合もあります。ここはタイですから、ある程度は「マイペンライ(気にしない)」精神で見過ごさなければなりません。予定しない時間に帰宅してみたら、アヤさんが冷蔵庫のコーラを勝手に飲みながらソファーに寝そべってTVを観ていたとしても、「タム・ヤンガン・タムマイ!(=なんでそんなことしてるの?)」などと激しく叱責してはいけません。翌日の朝電話をかけてきて、「もう辞めますので今日は行きません」と言われること間違いないでしょう。
アヤさんの働きぶりにハラハラドキドキし、つきっきりで家事の様子を監視して、でも指摘したいとがあってもうまくタイ語が伝わらず・・・ストレスをためて「もう日本に帰りたい!」と嘆く奥さまにも実際お目にかかったことがあります。中には、会社からのアヤさんの派遣を辞退し、日本にいた頃のように自分で家事一切をこなしているという奥さまにも出会ったことがあります。そんな駐在員の奥さま方を見て店主は思うのです。「一番家事に長けていて、一生懸命よく働き、アヤさんとして最も適任なのは・・・日本人女性かも!?」と。
(2008年1月)
|